オランダ語の受動態まとめ|基本構造と表現の使い分けなど。

オランダ語のレッスン(と言う名のご近所異文化交流会)に週1回行ってるんですが、ここ2週は「受動態⇔能動態」のトレーニングを課されております。

これが結構重い…疲れる。

てなわけで、ひとまず「オランダ語の受動態」を体系的にまとめておこうと、宿題ついでにメモを残しております((φ(・д・。)

受動態が文法知識として頭に入ってないみたいでして、受動態が使われた文章を読むのは別になんともないんですけど、「能動文を受動態に書き換えよ」って問題になった途端に脳も手もフリーズするんですよねー(´・ω・)

目次

受動態(⇔能動態)の基本構造

そもそも「能動態と受動態とは何ぞや?」って話はもういいとして、文構造と互いの関係性は以下のようになっております。

  • 能動態
    • 主語が動作を行う形の文
    • 主語(行為者)+動詞+目的語(動作を受ける対象)
      • De schilder schildert het huis
      • 画家が家を塗る。
  • 受動態
    • 主語に能動態での目的語が置かれる文。動作を受ける対象にフォーカスする。
    • 主語+worden/zijn+過去分詞(+door+行為者)
      • Het huis wordt door de schilder geschilderd.
      • その家はその画家によって塗られる/塗られている。

基本構造はこんな感じ。能動態と受動態の型の関係性も英語のそれと似てます。ただ、時制が絡んだ派生形も含めて、オランダ語の受動態には表現パターンが複数あります。

時制による違い

時制によって変化するのは、基本形「主語+worden/zijn+過去分詞」のwordenの部分。ここは能動態と同じように時制を一致させ、主語(人称代名詞/単数名詞/複数名詞)に合った形の動詞wordenを入れればOK。

  • 現在時制
    • 能動態: Hij schrijft een brief.(彼は手紙を書く。)
    • 受動態: De brief wordt geschreven.(手紙が書かれる。)
  • 過去時制
    • 能動態: Hij schreef een brief.(彼は手紙を書いた。)
    • 受動態: De brief werd geschreven.(手紙が書かれていた。)
  • 未来時制
    • 能動態: Hij zal een brief schrijven.(彼は手紙を書くつもりだ。)
    • 受動態: De brief zal geschreven worden.(手紙が書かれるだろう。)
  • 完了形
    • 能動態: Hij heeft een brief geschreven.(彼は手紙を書いた。)
    • 受動態: De brief is geschreven.(手紙は書かれていた。)

こんな感じで、文法のロジックで理解しようとするとどうしても堅苦しくなりますなぁ…。同じ意味を言い換えてるだけだし、まず普段の生活で「能動態⇔受動態」の処理をすることも無いんで、一度理解しとけば覚えなくていいかなーと。

問題集とかでやってる「能動文の時制を判定→あとはパズルゲー」って、言語学習でなくてもはや脳トレなんすよね。

動作が「進行中」か「完了してる」か

てなわけで、能動文から受動文に変換するんじゃなくて、能動か受動か関係なく「どういう時に何て言うか」で覚えておきたい。

ちょいとおさらいですが、テキストでは、下記のように能動文の「時制」を軸に解説されております。

時制によるworden/zijnの違い

  • 現在時制: De brief wordt geschreven.(手紙が書かれている。)
  • 過去時制: De brief werd geschreven.(手紙が書かれていた。)
  • 完了形: De brief is geschreven.(手紙は書かれている。)

この時制軸の比較が非常にわかりづらい。

なので、動作が「進行中」か「完了してる状態か」っていう観点に置き換えちゃいます。(以下)

状態によるworden/zijnの違い

  • 進行中の動作(現在): De brief wordt geschreven.(手紙が書かれている。)
  • 進行中の動作(過去): De brief werd geschreven.(手紙が書かれていた。)
  • 完了した状態: De brief is geschreven.(手紙は書かれている/書き終わってる。)

例をもう一つ

  • 進行中の動作(現在): Het huis wordt geschilderd.(家が塗装されている/塗装中です。)
  • 進行中の動作(過去): Het huis werd geschilderd.(家が塗装されていた/塗装中でした。)
  • 完了した状態: Het huis is geschilderd.(家は塗装されている/塗装済みです。)

オランダ語では、英語の過去形にあたる文脈でも「完了形」が頻繁に使われるので、時制で考えてると混乱するんですよね。オランダ語の完了形(voltooide tijd)は、英語の現在完了形(present perfect)の概念とは異なる部分が多いです。

英語で習った「完了」「継続」「経験」とかのうち、「完了」だけが共通してるって感じ。英語の感覚が抜けないうちは能動態でもややこしかったです。

英語と違って、完了形で「明確な時間表現(last yearとかyesterdayとか)」を使うのもOK、というかむしろこのケースで過去形を使うことはほぼないです。これも明確に時間表現できるってことは「完了してる事柄」って感覚なんでしょうかね。

行為者が不明または誰であるか重要でない場合の受動態

世の中には行為者(誰がやったのか)を明示してない受動表現がありますよね。「面接で落とされたー」とか「法案が可決された」「橋が補修されてる」とか。

オランダ語では2つの表現方法がありやす!

  1. 行為者(door…)を省略する
  2. 「er」を使う受動態を作る

1. 行為者(door…)を省略するケース

行為者が明示されなくても文脈から意味が通じる場合は、日本語訳と同じようにそのまま「~によって(door…)」を省略すればOK。

  • De deur is geopend.
    • ドアが開いている。
  • Het huis wordt gebouwd.
    • その家は建てられている/建設中です。

わざわざ言わなくても互いにわかってる場合や、そもそも「誰がやったかなんてどうでもいい(そこ重要じゃない)」って場合には、この形が適しています。

2. 「er」を使って受動態を作るケース

行為者が不明(不明瞭)なとき、特にその動作が一般的・不特定多数によるものを示したい場合には、文頭に「Er」を加えて受動態を作ることがよくあります。

  • Er werden veel fouten gemaakt.
    • たくさんの間違いが犯された。(たくさんの間違いがあった。)
    • 間違いを犯した人は特定されていない
  • Er wordt hier hard gewerkt.
    • ここでは一生懸命働かれている。(大変な作業が続いている。)
    • 誰が働いているのかは不明

私にはまだオランダ語の感覚が身についてないのでピンとこないんですが、オランダ人からすると、主語がなくても「er」を使うことで自然な文に聞こえるそうな。

オランダ語では、オフィシャル文書でもカジュアルな話し言葉でも頻繁に「er」が出てきます( ;∀;) ちゃんと文法的なロジックも持ちつつ、文のニュアンスや焦点をどこに置くか(受動態では行為の受け手や動作そのもの)を調整するのにも使われてる模様。

比較:「doorの省略」と「erを使う」

結局、どういう時にどっちを使うのが正解なんですか?というのをネイティブのオランダ人に聞いてみたところ…

「door省略」と「er活用」どっち??

  • いろんな言い方があるってだけで、別にどっちを使ってもよい。
  • 「Er」を使うと、普遍的/一般的な感じやオフィシャル感を出せる。
  • 行為者が重要でない場合は「door省略」、行為者が完全に不明な場合は「er」

とのこと。まー、アウトプットする分には基本「door省略」でよさそう(許されそう)ですねー。リーディングでは何となくノリで理解できちゃうので。

ChatGPTに例を出してもらった

  • ドアが開けられている
    • 行為者が重要でない場合: De deur wordt geopend.
    • 行為者が不明、または一般的な行為として表現する場合: Er wordt een deur geopend.
  • 新しい法律が制定される
    • 行為者を強調しない場合: Een nieuwe wet wordt ingevoerd.
    • 公式発表風に言う場合: Er wordt een nieuwe wet ingevoerd.

これを見るかぎり、どっちを使っても事実はちゃんと伝わりそうです。文脈やニュアンス的なところは慣れなんでしょうなー。

なんにせよ、受動態は形式的な文書やニュースでよく使われてるんで、堅苦しく考えず、理屈がわかったらインプット学習に切り替えちゃってよさそうです。

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