ヨーロッパの寒くて暗い冬を乗り越える防寒対策とメンタルヘルスの話

オランダに移住して3回目の冬を迎えます。毎年この時期になると「ヨーロッパの冬が寒い!暗い!鬱になる!」って話題が出てくるんですが、過去2年の間に防寒対策のグッズとノウハウを蓄えたので、今年はすんなりと乗り越えてやろうと意気込んでる次第です。

ヨーロッパの冬って気温が低いのもだけど、風も強いし、どんより暗いし、家に帰っても暖房がないし、ヒーター使うと光熱費がべらぼうに高い。

すっかり慣れたけど便座も冷たい。

幸いウチはマンションの構造上の関係なのか家の中がさほど寒くなく(いや寒いけど死ぬほど寒くはない)、「まぁ日本の梅雨よりマシかもー」くらいの楽観思考でどんよりムードにはなってませんが、なるべく寒さを感じずに過ごしたいので、徐々にあったかアイテムを導入していっております。

ではチャチャっといってみよー(=゚ω゚)ノ

目次

室内の防寒アイテム・エコ暖房グッズ

ヨーロッパは、「暑かったら窓開けたらいいじゃん」っていう考え方で、日本やアメリカみたいに部屋の温度をクーラーで無理やり下げるのが理解できないらしく、エアコンがない家の方が多いです。

じゃあ寒い時はというと、メジャーな暖房器具としてセントラルヒーティング(温水パネルヒーター)が導入されています。ボイラーで温めた温水を各部屋のパネルヒーターに循環させることで、建物全体がぽわ~んと温かくなる仕組み。

ですが、これ国や地域の規定、あと賃貸物件のハウスルールによって、費用とか使用制限に差があるわけですね(外気温が〇℃以下にならないと付けないとか)。

友達がルームメイトに「賃貸(設備費ワリカン)抑えたいからオンにしないで」って言われて揉めたらしい。外マイナス気温だったのに。

セントラルヒーティングが効率的に使用できない場合は、ほかの暖房機器を代替導入したいところ。大して温かくない上に一番電気代がかかる「電気ファンヒーター」だけはやめときましょう。

石油ストーブ

別にこれ安いわけじゃないんですが、防寒対策じゃなく「焼き芋したいねぇ…」で買ったら、何かほんわり温かくて気持ちいいじゃんってことで、そこからスタメン暖房器具になりました。

1日中付けるってことはなく、寒い日の朝と夕方に1時間半ほどずつ付けて部屋が温まったら消してます。それで灯油20L(70ユーロ)を1~1.5ヶ月で消費する感じ。

ポリ湯たんぽ

寝室はホントに寝るだけの空間なので、ベッドの中だけ温かくしておけば後はぐっすりです。オランダのドラッグストアには昔ながらのゴム製の湯たんぽ(氷枕にもなるやつ)しか売っておらず、それだと熱湯を入れられないし、すぐに温度がヌルくなってくるので、一時帰国したときに実家に余ってたポリ製の湯たんぽを持って帰ってきました。

寝る前に足元を温めておいて、ベッドに入ったらお腹辺りに抱えて寝てます( *´艸`) 布団に入れて朝まで温かいままってのがいいなーと!日本製である必要はないですが、しっかり耐熱温度が高い製品を準備しましょう。

電気ひざ掛け・フットウォーマー

部屋を暖かくできない時は、防寒グッズで身体を直に温めちゃいましょう。日本だと、エアコンの次に電気代が安いとされてるのが「炬燵(こたつ)」「ホットカーペット」ですが、炬燵はヨーロッパになかなかないので、家の中であまり動いてないとき(デスクワークとか)はホットカーペットとか電気ひざ掛け毛布あたりが重宝されます。

それと最近はフットウォーマーにもハマってます。部屋の温度が低くても足元さえ温めておけば意外と快適に過ごせるもので、フットウォーマーを導入してからはストーブもパネルヒーターもあんまり使わなくなりました。(焼き芋はしますけど!)炬燵とか毛布と違って「気持ちよくて出れない」ってこともないですし。

冬に重宝してるワークウェア・アウトドアブランド

寒さ対策はレイヤリング(重ね着)が基本なんですが、これヒートテックとかでも10月下旬あたりから既にキツいんですな。

現地のアウトドアショップに行ったり、周りの人におすすめを聞いてみたりで、それぞれ発見があると思うんですが、ひとまず私が出会ったブランドを挙げておきますー!

icebreaker(アイスブレーカー)の肌着・タイツ

ゴールドウィン|icebreakerブランドサイト

ニュージーランド発のメリノウール素材を使ったアウトドア・ライフスタイルブランド。ちょっと前までは登山・釣り・キャンプ愛好家が選ぶおすすめベースレイヤー的な位置づけだったんですけど、アウトドアブランドとして人気が出てきて、最近はカーディガンとかセーターとか普段使いしやすいデザインが結構出てますねー。

メリノウールと言えば、通気性◎・吸湿性◎・保温性◎で、夏でも冬でも快適な機能性抜群の素材なんですが、ウール素材は肌に直接触れるとどうしてもチクチク感が出やすい。

が、icebrekerのメリノウールは、繊維が極細でチクチクどころか肌触りがめちゃくちゃ良いのが特徴。なので、下着・タイツ・ベースレイヤーならicebrekerがベストチョイスかと!

icebreakerのいいところ

  • 普通の弱アルカリ性洗剤と洗濯機で洗える
  • 防菌防臭:汗かいても臭くならない
  • 速乾性:汗かいてもサラサラのまま
  • 洗濯せずに何日も着用できる

これ別にめんどくさがり屋で不潔なわけじゃなく、清潔を保ててるから洗濯不要になってるだけですからね!(7泊8日、毎日同じTシャツ旅|icebreaker広報ブログ

製品名についてる番号は生地の厚み(g/m2)。年中使える肌着としては150でもいいですが、寒さ対策で一着買うなら200g/m2以上のものを。

Woolpower(ウールパワー)のミドルレイヤージャケット

Woolpower.jp

Woolpowerは、スウェーデンの高品質メリノウールウェア専門ブランドです。表面が平編み、裏面がタオル地のようなテリー編みが特徴でして、ふんわりとした肌触りで断熱性・吸汗性・保温性◎。耐久性を高めるためにメリノウールに少しだけ化学繊維を配合しており、肌触りの滑らかさでは100%天然素材のicebreakerに少し劣りますが、頑丈で長持ちするのはWoolpowerです。

icebreakerは袖や腰回りが徐々に擦れてきます。それでも5年以上は使ってるけど。

Woolpowerでおすすめなのは、400or600g/m2のミドルレイヤージャケット。相性が良いicebreakerの肌着と重ね着しても依然軽いですし、気温が低くて運動量の少ない室内でも使えます。というか、むしろ秋口から春先にかけてヘビロテ部屋着でした。

しゃがんでも背中が出ないように背中側の生地が長くなってたり、袖も手の甲までサムホール付きであったりと(不要な時は袖を折る)、とことん寒さを防いでくれるデザインも◎

それと、冬用に400/600/800とある極暖ソックスもなかなかいい感じでして、800はもうギャグかよってくらい分厚くて身長も伸びるんですが、極寒アウトドアではテントでくつろぐ際に着用するものらしく、室内だとスリッパなしでも床の冷たさは全く伝わってこないし(厚すぎてスリッパ履けないけど)、ずっしり包み込まれる感じにだんだんハマってきます。

ま、雪国じゃなければタウンユースは400で十分であります。600もそこそこ厚みがあってスニーカーとかだとたぶん余裕ないので。

Arborwear(アーボウェア)のアウター

Arborwear

Arborwearは、Arboristのためのワークウェア&ギアメーカーです。Arboristってのは、樹木のケアとメンテナンスの知識と技術を有する職人です(写真参照)。日本でも「樹木医」っていう資格があるらしいですが、あんまり職業としてメジャーではなさそう。

日本でいうワークマンみたいに「高機能・頑丈・安い」って三拍子そろったブランドでして、極厚アウターとかレインコートなんかも送料込みでもリーズナブル。

ウチは旦那さんがこの仕事をやってるので、周辺アクセサリとかも含めてちょこちょこお世話になっております。

トゲトゲの樹木とかチェーンソーとか危ないものに囲まれて仕事をすることを想定しているので、生地は分厚くてずっしり重いんですが、雨も雪も冷たい風も防いでくれます。

寒くて薄暗い冬にどんよりしないメンタルヘルス的な話

北欧や中央ヨーロッパの冬は、寒さも厳しいですが、日照時間が急に短くなるせいか、メンタルをやられちゃう人も結構います。せっかく移住したけど、、、駐在期間まだ2年残ってたけど、、、本当にこのヨーロッパの冬ってやつに耐えられなくて帰国したなんて話もちょいちょい聞きますし。

寒くて風邪ひいて寝込んで仕事休んで人と会わなくなって…そんなこんなでまた熱ぶり返して…みたいな感じで心身ともに不調のスパイラルに陥ってるようで。

もともと陰キャの引き籠り気質なので、心身不調スパイラルに入ったときのダルさはわかる

ヨーロッパだからとか寒いからっていうよりは、生活習慣が原因になってることが多いので、このあたりの対策にも軽く触れておきます。

毎日少しでも外に出て日光を浴びる(できれば午前中)

まずは、日光を浴びる時間を意識的に増やすこと。窓辺に座ったり、カーテンを開けて自然光を取り入れたりってのも工夫の一つですが、曇りの日でさえも日光は室内照明よりも圧倒的に強くて明るいので、できれば外に出て光の刺激を受けましょう。(計15~30分くらい)

朝、仕事を始める前はバルコニーでホットコーヒーを飲んでます。(おばあちゃん)

午前中は日差しが穏やかですし、体内時計のリズム補正(昼間は活動的になり、夜に自然と眠気が来る)も考慮すると、連続でなくてもいいのでは午前中に外に出た方が良さそう。

そもそも日照時間の短さが、なんでメンタルに悪影響を与えるのかって話

日照時間が短い地域は鬱(うつ)になる人が多いとかって言われますけど、この理由にはセロトニンメラトニンという日光に強く影響を受けるホルモンが関係してます。

セロトニンは…

  • 「幸福ホルモン」とも呼ばれ、気分を安定させる役割がある。
  • 不足すると、疲労感やストレス耐性の低下を引き起こす。
  • 日光を浴びることで分泌が促される。

⇒日照時間が短いと、セロトニンの分泌が減少し、結果として気分が落ち込みやすくなる。

メラトニンは…

  • 「睡眠ホルモン」で、体内時計を調整し、眠気を誘う。
  • 過剰に分泌すると、睡眠リズムの乱れや昼間の活動量の低下に繋がる。
  • 日光を浴びると減少し、夜間に分泌が増加する。

⇒日照時間が短いと、昼間でもメラトニンが分泌され、活力低下や倦怠感を引き起こしやすくなる。

日光の不足が原因で発症する季節性うつ病には、専用のライトを使って人工的な強い光を浴びさせる「光療法」ってのがあるみたいです。太陽光じゃなくても、セロトニンの分泌とメラトニンの抑制に効果があるんですねー。ただ外に出れば解決なので、メンタルがやられる前に意識的に外に出て光を浴びましょう。

曇りでも外に出ると日光を浴びたことになるの?

日光の強さってえげつなくて、明るさで言うと、一般的な照明は300〜500ルクス程度なのに対し、屋外の明るさは曇りの日でも5,000〜10,000ルクス、晴れの日には30,000〜100,000ルクスに達するそう。

たとえ、曇り空でも日光の50~80%は地表まで届いており、曇ってても外に出るだけで、体内時計リセットやセロトニン分泌に十分な光の刺激が浴びれるというわけです。

ビタミンDの補給も忘れずに

日照時間が短い冬は、ビタミンDも通常よりさらに不足するのでサプリメントでの摂取をお忘れなく。冬場は毎日屋外で仕事をしている人でも必要量に足りないことがあるらしく、私みたいに室内で仕事してる一般人は1年中サプリが必須です( ;∀;)

ビタミンDが不足すると、メンタルだけでなく、免疫系や骨・筋肉にも影響大なんで注意したいところですが、サプリを1日1~2錠摂ってるだけで不調が防げるなら安いもんですな。

軽く運動したり、筋トレしたり

マッチョも「筋トレがすべてを解決する!」って言ってるように、運動がメンタルの改善に効くっていう事例はよく聞きますよね。

これ強度や頻度によって効果の度合は異なるみたいですが、筋トレでも有酸素でも何らかのエクササイズで身体を動かすことで、意識がネガティブ思考から離れ、前向きな思考や感情を受け入れやすくなるそう。

運動習慣がなくてメンタルが病んでるときに負荷の高い運動から始めるのは大変だと思うので、その場合は日光を浴びるのも兼ねて、朝に外を散歩するところから始めて、慣れたら早歩きとかにスイッチしてみるといいんじゃないでしょうか。

結論、ヨーロッパの冬を攻略法は「寒さ対策をしっかりしつつ、他の季節と同じように健康的な生活をキープしましょう」ってところでしょうか。今年も良いアイテムが見つかったらアップデートしていきたい(*’ω’*)

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